そんな私がこのクリーニング業に入ろうと思ったきっかけは、当時
讃岐屋クリーニングが力を入れていた撥水加工の話を聞いた時、
「自分ならもっと集めることができる!!」と全く根拠のない自信から
だったのです。
京都での3年の修業を終え、讃岐屋クリーニングに入社したのですが、
私は以前からクリーニングの品質はお客様に分かりにくいと思ってい
ました。
飲食関係であれば、美味しい、まずいは食べればわかるのですが、
クリーニングの良い、悪いはなかなか判断できません。
しかし、シミが取れた、取れないは誰が見ても一目両全じゃないかと
気づき、しみ抜きと真剣に向き合ったのです。
初めは失敗を繰り返しました。
何回もお客さまに頭を下げお詫びしてきました。
それでも、投げ出すことなく、シミと向き合い続けました。
すると、ある時お店のスタッフから |
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という言葉が返ってきたのです。
私は心の中で「よっしゃー!!」と叫びました。
クリーニングの仕事についてこんなにうれしかったことはなかったです。
「そうや、今までお客様のためとか言ってたけど、全然お客様の方を
見てなかったな〜」と改めて思い知りました。
「よっしゃ!これからもっともっと多くのお客様によろこんでもらう
ぞ!!」と誓い、シミ抜きに本気で取り組んだのです。
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そうして、シミ抜きと向き合い続けました。
気が付けば、処理点数は10万点を超え、他店では難しいとされる
ワインのシミや、色移りのシミ。おしっこの黄ばみや、ペンキのシミ
など、大量に処理してきました。
脇の黄ばみもその中の一つです。
この脇の黄ばみとは、脇汗に含まれる脂肪酸が、時間の経過とともに
酸化し、黄色く変色してしまったものです。
このシミをきれいにするには、漂白処理が有効なのですが、まず黄ばみ
の原因となった脂肪酸を取り除かないと、いきなり漂白をしてもきれいに
ならないのです。
さらに、黄ばみが進行してくると、脂肪酸が生地の染色をこわしてしまう
ため、黄ばみを取ると、その箇所が脱色してしまっているということが
あります。
こうなっていると、いくら漂白してもきれいにはなりません。
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そこで登場するのが、「色掛け」という技術!!
生地の色に合わせて、調色した染料を脱色部分に掛けていきます。
ただ、一言に脱色といっても、色の三原色のうちの一部だけがこわれ
てしまったものや、全部こわれてしまったものなど様々です。
もちろん、一部だけがこわれたものと、全部こわれたものとでは、作る
色が違います。
そういった細かな感覚が「色掛け」には必要なのです。
この「色掛け」ができないと、黄ばみが進行し、脱色してしまった脇の
シミはきれいにならないのです。
この「色掛け」までできるクリーニング店はしみ抜きに本気で取り組ん
でいるクリーニング店の中でも、まだまだ少数派なのではないで
しょうか?
そんな少数派のクリーニング店とは、そりゃなかなか巡り会えません
よね。
シミでお困りのことがあれば、ぜひ当店にお越しください。
長々とした文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。 |